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焦茶色の艶やかな髪、そこから覗く濡れた翡翠色の瞳。
これらは彼が元から持ち合わせているもので、男の時から女性の視線を否応なしに引きつけていたが、女性になったらそれはそれで強烈に異性を惹きつける。つまり女性の姿になったレオは次は男性の目を釘付けにした。ドレスや髪飾りなどはそう派手なものではなく慎ましいが、それがどこか清らかな雰囲気を醸しているために、レオの美しさが引き立った。
…さらにいうと、中身は男であるがゆえに、女性らしさを常に意識して行動したことが寧ろ本物の女性よりも女性らしく見えた。
嫋やかで淑やかで、それでいて控えめな動き….おそらくレオ本人は他の客の会話を盗み聞くために目立たないような動きをしていたせいだが…はレディそのものの所作と言えた。
式典が行われているこの広間は非常に大きく、大勢の人々が入り乱れているため、レオが目立つということは無かったにせよ、通りすがりにレオを見かけた人は思わず視線を向けてしまうのだった。…熱い視線を。
一方、当のレオはといえば自分の放つ魅力にとことん鈍かった。寧ろ熱っぽい視線が向けられると何か勘付かれたのだろうかと警戒までしていた。
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