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「この家も引き払わなきゃ駄目ね」
「えっ!?」
母の言葉に思わず声が漏れた。
祖母のロザリアが亡くなってから一週間。
遺品整理のため、祖母の家に訪れていた。
祖父は随分前に亡くなっており、この家の住人はもういない。
引き払うのは仕方ない事だろう。
だが、少女は納得できなかった。
「じゃあ、私にこの家をちょうだい!」
咄嗟にそう言った。
母のローズは娘の突然の申し出に呆然とした。
「ふふっ、何言っているの」
冗談だろうと笑って呟く。
娘のロゼッタはまだ16歳。
実家から遠く離れたこの田舎の町で、一人で暮らしていけるとは到底思えない。
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