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「本気なの!私、一人でもこの家を守りたい!」
ロゼッタは必死に懇願する。
娘は決して冗談で言っているわけではないようだ。
しかし、母親として簡単には許可できない。
「どうしたんだい?」
奥の部屋で作業をしていた父がやって来た。
事情を説明すると父は考え込んだ。
そして小さく頷いてこう言った。
「いいじゃないかい?僕もこの家が無くなるのは寂しいからね」
母のローズは目を見開いて反論する。
それから暫く話し合いが続いた。
しかし、平行線を辿るばかりで全く進展しない。
「じゃあ、ロゼッタは何故この家で暮らしたいんだい?」
父は優しい口調で娘に質問する。
祖母の家は小さくて古い。
しかも買い物に行くには、歩いて一時間以上かかる隣町まで行かなくてはならない。
生活にはかなり不便だ。
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