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 華南との幸せな時間と引き換えかのように、淑恵との距離は離れていっている。    結婚当初は、いつも一緒に寝ていたのだが、出産後の淑恵は、華南と二人で寝るようになって、僕はと言えば、別室で一人で寝るようになった。  きっかけは何だったのだろう。  僕が、赤ん坊だった華南の夜泣きをうるさがったせいだったか。  それとも、夜泣きをしても目を覚まさない僕に、淑恵が腹を立てたのだったか。  その辺の記憶は定かではない。  夫婦というものは、家族の中で唯一血の繋がりのない、いわば他人のようなものだ。  血の繋がりもなく、体の繋がりもない今、僕等の関係は、ただ、お金を入れる者と家政婦みたいになっているような気がする。  子は(かすがい)なんて言うけど、今の僕には、別に淑恵じゃなくてもいいんじゃないかとまで思えてしまう。  ただ、料理が上手で、もっと洗濯をこまめにやってくれる相手であれば、最早異性でなくてもいいんじゃないか、とまで考えるようになってしまっていた。
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