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黙って見上げた白雪姫にチラリと視線を向けたアベルは、次には強い目をしていた。
「俺達と同じく、帰る家がないらしい。それに家事の助けにはなるだろう。足が治ったらお前が家の仕事を教えてやれ、ギヨーム」
「僕は構わないけれど……他の兄さんがたはいいって言うかな?」
「言わせるから問題ない」
絶対的な自信を持って言うアベルは強引な部分があった。
だが、寄る辺のない白雪姫にとってはとても強い味方でもあった。
「あの! 有り難うございます」
座ったままだが深く頭を下げた白雪姫に、アベルは黙って頷いた。
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