2話 森の中の家

5/12
前へ
/167ページ
次へ
 黙って見上げた白雪姫にチラリと視線を向けたアベルは、次には強い目をしていた。 「俺達と同じく、帰る家がないらしい。それに家事の助けにはなるだろう。足が治ったらお前が家の仕事を教えてやれ、ギヨーム」 「僕は構わないけれど……他の兄さんがたはいいって言うかな?」 「言わせるから問題ない」  絶対的な自信を持って言うアベルは強引な部分があった。  だが、寄る辺のない白雪姫にとってはとても強い味方でもあった。 「あの! 有り難うございます」  座ったままだが深く頭を下げた白雪姫に、アベルは黙って頷いた。
/167ページ

最初のコメントを投稿しよう!

699人が本棚に入れています
本棚に追加