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その後、アベルは仕事に戻ると言っていなくなり、しばらくの時間をギヨームと過ごした。
同じ年くらいのギヨームはとても素直でしっかり者で、白雪姫に紅茶とスコーンを出してくれて、しばらく話をしていた。
その後、疲れからか眠くなった白雪姫にこの部屋を使っていいと言ってくれ、手を貸してベッドまでつれて行ってくれた彼も、静かに姿を消した。
屋敷のベッドは城の物に比べると寝心地は悪いのに、入った途端に眠気が押し寄せた。そしてとても、心地よかった。
城では眠れない夜が多かった。継母に命を狙われていると気付いた時から、怖くなってしまっていた。
突然、上から物が落ちてきた事もあった。銀のスプーンが黒く変わった事もあった。突然後ろから突き飛ばされた事もあった。
ウトウトと瞼が落ちていく。
もう、命の心配をしながら生きる事なんてない。もう、大丈夫なんだ。
その安心感が白雪姫を、心地よい眠りへと誘ってくれた。
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