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「姫様、顔が赤い。熱い?」
「わぁ!」
ひょこっと、背後から屈んで顔を覗き込むエミールに思わず声が出る。声の方を見ればにっこりと微笑む柔らかな青い瞳がある。この距離の近さに気まずさを感じないのだろうか。
「猫ちゃん、ミルク温めてる。待っててね」
「有り難う、エミールくん」
「でも、心配。もう夕方で、冷える。兄さん、風邪引かないといいんだけれど」
珍しく不安そうな顔と言葉に、白雪姫も頷いた。
風邪など引かなければ、いいのだけれど……。
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