2話 森の中の家

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 途端、キリリとした顔をしたギヨームの案内で近くの部屋へと案内され、そこにあるソファーに下ろされた。 「腫れてきてるね。今水を汲んでくる。暫く歩くのに苦労すると思う。杖も持ってくる」 「頼む」  テキパキと足を診て動くギヨームはとても頼もしく見える。その側にいるアベルは腕を組んだまま、ジッと白雪姫を見下ろしていた。 「お前、この国の姫か」 「え?」 「こんな暮らしだが、町とまったく関わりがないわけじゃない。白雪姫、この国だけじゃなく隣国でも有名な美姫の名だ」  アベルの言葉に、白雪姫は俯き加減に頷いた。  手は硬く握られてドレスのスカートに皺を作る。そして目には、今にも溢れそうな涙が浮かんでいた。 「何があった」 「……義母さまと、折り合いが悪くて」  そう、ぽつんと呟く。彼女にしたら、それ以上がないのだ。  白雪姫の母は彼女を産んで暫くで亡くなった。  それからずっと後妻を取らなかった父が、最近になって若い後妻を取ったのだ。  この後妻は自分の美貌に自信を持っているらしく、何かと白雪姫を目の敵にしていたのだが、まさか殺そうとしていたとまでは思わなかったのだ。
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