0人が本棚に入れています
本棚に追加
「はぁ……」
屋上のフェンスに背中をあずけ、盛大なため息を吐き出した。
私はついさっき、自爆まがいの失恋をしたからだ。
高校で出会ったクラスメイトに恋をし、いつか自分の思いを告げられたらとは思ってはいたのだか……
「まさか自分の親友とくっつくとは……」
別に親友は私の想いを知っていた訳じゃない。むしろ鈍感な方だから私の想いに全く気づいてなかったと思う。
好きになった人も私の親友とそっくりで、鈍感でわかりやすい。傍から見たらお互い好きあってることなんてバレバレだった。気づいてなかったのは本人達どうしぐらいだ。
そんな2人にイライラして、男顔負けの男らしさを持つと評判の私が「いいからさっさと思いを言ってこい!!!!!」とけしかけたのだ。
馬鹿だなぁ……私。
でも、どうしても晴れない胸の淀みはきっと失恋のせいだけじゃない。
2人とも大好きだっから……。憎めない。怒ることができないんだ。このスッキリしない思いはどこにぶつければいいんだろう……。
膝を抱え、頭を埋めて呟くと、目から耳にかけて熱くなった。
(あ、やばい)
瞬時にそう思ったが、次の時間は自習だ。最悪遅れても大丈夫だろう。
ここには誰もいないし。
最初のコメントを投稿しよう!