慣れるまでは

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「はぁ……」 屋上のフェンスに背中をあずけ、盛大なため息を吐き出した。 私はついさっき、自爆まがいの失恋をしたからだ。 高校で出会ったクラスメイトに恋をし、いつか自分の思いを告げられたらとは思ってはいたのだか…… 「まさか自分の親友とくっつくとは……」 別に親友は私の想いを知っていた訳じゃない。むしろ鈍感な方だから私の想いに全く気づいてなかったと思う。 好きになった人も私の親友とそっくりで、鈍感でわかりやすい。傍から見たらお互い好きあってることなんてバレバレだった。気づいてなかったのは本人達どうしぐらいだ。 そんな2人にイライラして、男顔負けの男らしさを持つと評判の私が「いいからさっさと思いを言ってこい!!!!!」とけしかけたのだ。 馬鹿だなぁ……私。 でも、どうしても晴れない胸の淀みはきっと失恋のせいだけじゃない。 2人とも大好きだっから……。憎めない。怒ることができないんだ。このスッキリしない思いはどこにぶつければいいんだろう……。 膝を抱え、頭を埋めて呟くと、目から耳にかけて熱くなった。 (あ、やばい) 瞬時にそう思ったが、次の時間は自習だ。最悪遅れても大丈夫だろう。 ここには誰もいないし。
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