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誰もいない雪景色で、振り返る彼。
世界から時間が消えたような、一瞬の静寂。
神様の作ってくれたシナリオが、望実の心を奮い立たせる。
勇気をだして。
彼の、本当の声が聞きたい……。
「たった二文字が孤独を変えるって、知ってる?」
「え?」
ようやく、二人は目を合わせた。
吸い込まれそうなほど真剣な瞳が一直線上にある。
心臓が熱い。
「わたし、古城君のことが…………好き」
驚いたような直輝の顔。
頬を赤く染めた望実の顔。
「ありがとう。今まですごく楽しかった、これからもずっと続けばいいなと思ってる。だから友達関係の先にジャンプしたいの」
……お互いに、そこから先の言葉はなかった。
同じ距離を保ったまま帰る道は、身体は寒くて心が温かかった。つかず離れずの直輝の背中は、無言で望実の言葉を受け止めてくれていたから。
望実の心から、柔らかな花が開く。
ねえ、ダンテライオン。
これで彼の世界も、少し変わったのかな?
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