第2章 精鋭フランベルジェ隊

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第2章 精鋭フランベルジェ隊

氷河期が迫ってきた事によって地球を旅立つしかなかった人類は技術の粋を集め、惑星型外宇宙航行艦「人類母艦」を建造して、第二の地球を見つけるべく旅立ち700年以上が過ぎていた。最終的には地球から18隻の人類母艦が旅立ちそれぞれの目的地へと向かって行った。 マヒューヴァは100年前後の単位で現在まで積み上げたデータベースを元に新たに機体の世代交代「モデルチェンジ」を行い、ベーシックなバランス型を基本に様々なタイプのマヒューヴァが建造された。性能に関しては世代での機体サイズの変更はあっても世代間での基本性能差は物理的な機体の小型化や特殊な装備が追加されている意外は無く、現在では最新鋭の第八世代のマヒューヴァが完成間近であった。 「いい男はいないものね?」四十歳を目前として「ルシカ・フランベルジェ」はパイロットスーツの豊かな胸元を空け、マヒューヴァ部隊の格納庫へと部隊の三名を従えて入室してきた。 「隊長の良さを気が付かないなんて…」副官の「キュリア・カルテナ」は本心からそう言った。 「隊長、面食いだもんね!」あっけらかんと同世代の「マリーシャ・ジェリス」が言うと 「私わからないデス~」と一番年下で20代の「リリア・ソルキアン」はシレっと言った。 「チッ!」キュリア・カルテナは聞こえる様に舌打ちした。ルシカ・フランベルジェは自分の機体へ行こうとしたが、縦列で並ぶ各隊のマヒューヴァ射出台後方の人影に目が止まり、メンバー三名を置いてその人影に近づいていった。 「ん?隊長?」キリュアが急に進路変えたルシカに疑問の声をかけると 「何?ナンパ?!」マリーシャはウキウキしてルシカを追った。 「私わからないデス~」とリリアが言うと、 「チッ!」キュリアは聞こえる様に舌打ちした。 「久しぶりね、こんなとこで何してるの?」ルシカは美しく長いブロンドをかき分けながら、ヨシュア・ガノーに声をかけた。 「いやぁ~これは精鋭のフランベルジェ隊隊長!何が御用ですか?」ヨシュアを飛び越えて後方にいたイルキン・ノーブルはルシカに尋ねた。 「久しぶりだな?フランベルジェ、次の出撃に備えている。」ヨシュアは淡々とノーブルを気にせず答えた。 「あんた、パイロットに成れたんだね!良かったじゃない。」ルシカは本当にそう思って言うと 「フランベルジェ隊長!ガノーはうちのテンペロー隊に入ったのですよ!」イルキンは胸を張ってルシカに答えた。
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