第3章 強襲ヴェクターアーマー

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第3章 強襲ヴェクターアーマー

「ふ~ん?これ、あんたの機体?」ルシカは激しく経年劣化したヨシュアの機体を眺めた。 「いやぁ~、うちの隊はフランベルジェ隊の様に予算が潤沢ではなくて、そちらの精鋭が使用できる第七世代のマヒューヴァは使えないんですよ!」イルキンはべらべらと喋った。 「ふ~ん?ガノー!うちの隊に来ない?候補生時代みたいに一緒にやろうよ!」ルシカはイルキンをまったく無視してヨシュアを誘った。 「次の迎撃任務はフランベルジェ隊と共同だ。それで充分だろ?」ヨシュアもイルキンをまったく無視して返答した。 「そうだね!楽しみにしてる!」ルシカはヨシュアにウィンクすると早々に引き下がった。 「フランベルジェ隊長と知り合いなんですか?」イルキンは二人に無視された事を根に持ちながら聞いてきた。 「ああ、候補生の時、同期だった。」ヨシュアは淡々と答えた。 「スゴいじゃないですか~!!ルシカ・フランベルジェ隊長と言ったら、ガイアでは 超一級の「ヴァーミリオン(マヒューヴァパイロット)」ですよ!!最年少でパイロットになったんですよね~!!あっ!そう言えば、ガノーは最年長でパイロットになったんですよね~!!そっちもスゴいよな~!!」イルキンは長々と遠回しにヨシュアに復讐した。ヨシュアは最後までイルキンのうさ晴らしに付き合うと、デモンドレイルの整備を始めた。その二人の後方でゴウト・テンペローとケルナー・レバンが何やらひそひそ話をしていた。 「フン!」ゴウトの荒々しい鼻息だけが聞こえた。 「いいの?あれで?」後ろに張り付いていたマリーシャ・ジェリスは少し心配そうに聞くと 「あいつは、いつもああなのよ。」ルシカはボロボロのマヒューヴァを整備するヨシュアを見つめて言った。 「隊長知り合いなのですか?」キュリアが尋ねると 「ん?ああ!あいつはいいよ~!」ルシカの顔がニヤリと豹変し戦闘中の顔になった。キュリアは寒気を感じた。 「どこがいいの?」マリーシャは興味津々と質問した。 「あいつとやる(闘う)と最高なんだよ!グヘヘ…」ルシカは想いを馳せると完全に豹変してしまった。 「出撃準備急ぐよ!!」こうなると止まらないルシカを知っているキュリアはルシカを置いて他の二名を促すとコックピットに入り出撃に備えた。しばらくすると格納庫内にアラームが響いた。 「ヴェクターアーマー三機接近!!マヒューヴァ各隊、順次発艦!!」管制オペレーターが叫んだ。
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