第4章 VAデギンドラッド

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第4章 VAデギンドラッド

管制オペレーターのミアン・ロシタルは、火星からうねりながら上昇してくる三本の巨大な柱に脅え思わず叫んでしまった。するとミアンの右肩にそっと手をおき 「大丈夫…落ち着きなさい」オペレーターリーダーのサリエル・ミカシマが優しく諭した。各マヒューヴァ機体は格納庫内で固定器具ごと部隊別に螺旋状に並び変えられ順次ガイアから射出されて行った。 「ガノー!前へ出ろ!」ゴウトはガノーのデモンドレイルを先導に置き、自分達のアモンヴァイア三機は横一列に並び赴いた。その前方でルシカの機体を先導に美しいダイヤモンド編隊で舞う、フランベルジェ隊の第七世代の攻守バランス型マヒューヴァ「アスタロンディア」の隊長機の多層立体ディスプレイモニターにテンペロー隊の様子が映し出されていた。 「カスめ!!」ルシカはデモンドレイル後方の純白の機体めがけて吐き捨てる様に言葉が口をついた。 先の戦闘で破壊し捕らえた小型のヴェクターアーマー(VA)のデータベースの残骸から情報を取り出していた。 「第四世代の大型VA(デギンドラッド)三つの大出力の粒子砲と尾にあたる部分は近接兵器の様です!」キュリアはルシカに敵の装備のみ報告した。 「了解!!三枚に卸してやるよ!!」ルシカはほとばしる興奮を抑えきれずに叫んだ。 「隊長、表現アンティークだね?」マリーシャは思わず突っ込んだ。 「わからなデス~」リリアが困ったように言うと 「チッ!」キュリアは聞こえるように言った。その他に四つの隊が出撃し合計六つの隊が出撃していた。 マヒューヴァの部隊編成は一つの隊が3~4機編成で構成され、戦術火力は一つの隊で戦艦一隻に相当していて人類母艦が戦闘艦船を持たない理由でもあった。 デギンドラッドは全長50メートルを超え、頭部が流線形のフォルムに口内に大型粒子砲を持ち両腕部は指にあたるマニュピレータ部に三本の巨大な爪になっており中央部に同じく大型粒子砲を装備、尾にあたる部分は十字に刃を装備していて槍とも剣とも取れた。そのうねりながら接近する姿は機械で出来た「ドラゴン」であった。ヴェクターアーマーとは「遺伝子操作とルシファ粒子システムで造り出された機械生命体」と言う表現が正しかった。 「各隊!二隊でカウンターマニューバ(迎撃機動)!!」先導にいたフランベルジェ隊ルシカの掛け声と共にそれぞれの敵機体へと二つの隊づつ別れ、デギンドラッド三機への攻撃行動を開始した。
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