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60×60×30くらいの、ワンルームには邪魔な大きさの荷物が送られてきたのは、春の日差しを感じ始めた3月の半ばのことだった。
差出人に兄の万(よろず)の名を認め、大和万里(やまとばんり)は、ろくにカットもしていないボサボサの眉をしかめた。5歳年上の万とは頻繁に連絡をとっていない。3年前に万が35歳で結婚してからは余計に疎遠になった。
そんな兄から、先日急に電話がかかってきた。何かと思えば一年前に、大いびきの大往生で亡くなった父の遺品整理がようやく終わったので、形見分けとしてお前に荷物を送ったから、ということだった。
「デカすぎるだろ」
思わず、本音が漏れた。
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