プロローグ

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 さてと。おおよそ気が付いたとは思うけれど、ボクが何が嬉しくてわざわざ総角学園のことを語っているのかと言えば、それはやはりボクが総角学園に入学する新入生のひとりであるから。そういうことだ。  そして、残念なことにボクは頭がよろしくない。思考回路が夏場の排泄物並みに機能していないだとか、そういうのではない。単に学力がないってだけだ。つまり、ボクが放り込まれるのは第二学科ってわけだ。非常に残念ではあるけれど。  まあ、本題はそこじゃない。今のボクにはまるでわからないことだけれど、この総角学園にはとある権力者がいるのだ。  『総角の王』。  そんな存在が確かにあるのだ。  まさか、そんなモノクロのボクには縁もゆかりもないワードが、ボクの高校生活を捻じ曲げてしまうことになろうとは。  ……と、ここまでが残念なボクの自己紹介みたいなものだ。  これから出会うイレギュラー達には届かない、詩にしてはあまりにもチープな言葉の羅列だ。まあ、言ってみただけだけれど。
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