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―――ピピピピ、ピピピピ、  天宮はベッドの上、枕の横に置いておいたスマートフォンを手に取った。  いつもならば表示されている時間は6時。けれど今日は6時5分と表示されていた。 「あれぇ?」  そしていつも鳴る筈のスマホからは何の音もしない、というところで、そういえば昨晩スマホに目覚ましのセットをせず、目覚まし時計だけセットしたことを思い出した―――それは言わずもがな、二度寝した時ようの目覚ましである。  身体の癖で自然と目覚まし時計だけでも掛けてくれて助かった。  天宮は目覚まし時計を止め、ふぁあ、と伸びをしてベッドから床へと足を付けた。  昨晩はうつぼさんとお楽しみだったため気分がいいし、早寝もしたから眠くはない。それでも、仕事だと思うといつもの鼻歌は出てこない。  頭を掻きながら踏める床を踏んで行き、キッチンへと辿り着く。そしてポットに水を注ぎ、火にかける。そして下の棚に買い溜めしてある『ワンタンはるさめ』を取り出して、お皿に入れれば―――カップで買うより纏まった袋売りの方が安いのである―――お湯が沸くまで今度はベッドの向こうに戻りお着替えだ。     
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