0人が本棚に入れています
本棚に追加
/1ページ
あい。
「じゃあ、あなたが思ってる愛ってなに?」
わたしは、目の前にいる彼女に問いかけた。
「依存しないこと。」
平然と目を見据えながら言う。
「依存……?」
「そう。依存だよ。君の恋愛は、依存だ。カタチのあるものばかりに囚われないでね。相手のためを思ったものこそ愛だよ。」
アイスコーヒーのストローをカラカラと氷と混ぜている彼女から目が離せない。
そう言い放つ彼女のことは、理解ができない。私には、どうしても。目の前で話している彼女の目は爛々と光り、自信に満ち溢れている。
「あのさ、じゃあ、例えば、私があなたのことを好きだとして、一緒にいることも依存なの?」
どうしてもこれが言いたかった私は戸惑うことなく言った。
「あなたが他の人と付き合っている間、さみしかった。あなたを好きでいないために、違う人と付き合った。でもダメだった。こんなこと言ったら嫌われちゃうから。これは依存……?」
彼女が驚いた表情をして、固まってしまった。
「ごめんね。相手のこと、思ってないね。私、帰るね……。」
もうおしまいだ。椅子から立ち上がった私に彼女は言った。
「待って!!私も……。私もなんだよ。君が好き。だから付き合ってるのが悲しくて、寂しくて……。偉そうなこと言ったのは、君が他の人と付き合って欲しくなかったから。」
私が驚き固まる番だった。椅子から立ち上がったままの状態で、動けなかった。
「え、一緒なの……?」
「一緒だったみたい……。」
私たちは、笑いあった。これから、私たちの未来が楽しみだ。依存だ依存じゃないなんて関係ない。
愛のカタチも関係ない。好きなんだから。
最初のコメントを投稿しよう!