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一の幕
「これが怪異ってやつ?雪白くん倒せないの?」
「…物の怪を裁くには…そいつの形と因果と名前を定めないといけない」
「うーん名前なら…なんか殺人おばけとかじゃだめ?」
「…危機感がないな君は」
「だめかー」
「名は存在を縛り、理に沿わせることが出来るもの。適当に考えた名前より、古からなるべく大勢のヒトに使われている名の方が…効果がある」
「えー!適当って!ひどい!」
「…朱音暴れるな」
色々なことが一気にありすぎてまだ混乱をしているけれど、私は今大変な状況だということだけはわかっている。
急に殺人事件が起きて、クラスで少し浮いている近寄りがたいミステリアスな美少年に話しかけられたかと思ったら、今は妖怪?物の怪?に襲われてるなんて誰に言っても信じてもらえないだろう。
目の前で起こっていることを少し他人事のように眺めながら私は頭の中でゴチャゴチャに絡まってる物事を整理するために思いを巡らせた。
※※※
私は、基本的にクラスではひとりぼっちだった。
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