ホワイトリベンジ

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「ナンデスカ?」 「ま、マカロン、です。俺なりに頑張って作りました。そ、その……意味知ってます……?」 優香さんは首をギコギコ言わせながら横に振った。 むむ、これは緊張する……。 「あ、あの……特別な人って意味で……。その……あの時はごめんなさい!好きです!また今度!」 俺は恥ずかしさのあまり、教室から飛び出した。 「ぬわっ、すまぬ!」 途中、誰かとぶつかったが、家まで走って帰った。 【千里目線】 ビンゴ大会を使用人に任せ、私は親友がどうなったのか見に行った。 「ぬわっ、すまぬ!」 途中で充とぶつかったけど、アイツは私に気づいてないみたい。というか失敗したのかしら? 私は慌てて教室へ駆け込んだ。 「千里!」 すっかり元に戻った優香が目をうるうるさせながら私を見た。 「どうしたの?どうなったの?1から10まで話しなさい!」 「う、うん……。実はね……」 優香の話によれば、充はどもりながらもちゃんとマカロンを渡したみたい。 マカロンの意味を言って告白したら逃げたってのには呆れ返ったわ。 「どうしよ、私すごく嬉しい!」 優香は嬉し泣きをしている。 「また干からびるわよ?それより食べてみれば?」 「うん、そだね」 優香は震える手でラッピングを解き、箱を開けた。 中にはパステルカラーの可愛いマカロンが並んでいる。なによ、充のくせにやるじゃない。 「い、いただきます……」 優香は深呼吸をすると、マカロンを1口かじった。 「うぅ、うぇ……」 優香は声を上げて泣く。そんなに美味しいのかしら?まぁ好きな人の手作りだものね。 「泣くほど美味しいの?」 私がそう聞くと、優香は首をぶんぶん横に振る。 「甘じょっぱい……」 「え?」
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