名誉挽回

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暴言云々はいい、それよりも……。 「ま、まさかあの子がくれたこのチョコケーキは……?」 「本命よ」 千里が教えてくれた真実は俺にとって隕石がぶつけられた衝撃と同等……。いや、それ以上のものだ。 思わずその場に座り込む。 「本命……だと……!?」 俺は彼女になんて事をしてしまったのだ……! せっかくのリア充イベントが! 項垂れてる俺に影が落ちる。見上げてみれば千里だ。 「ねぇ、どうしたい?」 千里は平坦な声で聞く。 「どう、したい、とは……?」 「優香と付き合いたいかどうかって聞いてんのよ!このグズ!」 「ぐはぁっ!」 背中にムチが降ってきた。 「つ、付き合いたいです……」 「なら決まりね」 千里はニヤリと笑った。こういう時、大抵悪い事しか起きない。 「お前達!」 どこからともなくガタイのいい男がふたり出てきたかと思えば、俺の両腕を掴んだ。 そして引き摺られる。 「いだだだだっ!痛い!」 もがくと更に力を入れられて腕が軋む。 「いぎゃあぁあっ!?」 部屋の外まで引き摺られ、執事と遭遇する。 「いってらっしゃいませ、充坊ちゃん」 執事は今まで見たことの無い爽やかな笑顔で俺を見送った。 俺は外まで引き摺られたかと思えばリムジンに押し込まれた。 人が座るところでなく、荷物を積むところに。 リムジンに理不尽に押し込まれるのは初めてだ。 「くだらないシャレ言ってるんじゃないわよ」 何故か心を読まれた。
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