ホワイトリベンジ

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この日は千里に教えて貰いながらラッピングをし、明日にそなえて眠った。 翌日、俺は久しぶりに制服に袖を通した。マカロンが入った紙袋を持って登校する。 「うっ……」 教室に入り優香さんを見ると、真っ白に燃え尽きていた。俺のせいだと思うと心が痛い。 さて、他の生徒がいると渡しにくい……。というか俺は1ヶ月も休んでいたんだぞ?何故誰も心配する素振りがないんだ? ピンポンパンポーンッ 『2年2組の生徒達に朗報です』 ん?俺のクラスじゃないか。それにこの声は……。 『今から5分以内に財布を持って体育館に来てください。2年2組限定でビンゴ大会を行います。景品は現ナマ、ビンゴした順から額は大きいです。2年2組のフリをした生徒が紛れ込んでいたら、即刻排除します。放送委員兼学校一のお嬢様、千里』 ピンポンパンポーン ……やっぱり千里だ。 「おい聞いたか!?」 「2年2組ってうちらじゃん!」 「よっしゃー!絶対1番になってやる!」 皆ぞろぞろと教室を出ていく。残ったのは俺と、灰になった優香さんだ。 「あ、あのー……」 恐る恐る声をかけてみると、優香さんはギギギッ……、と人間からしてはいけない音を立てながらこちらを見た。 「コレハコレハ……チョコケーキ食イ逃ゲ犯ジャナイデスカ。今日ハ何モアリマセンヨ」 カタコトで言われる言葉が胸に刺さる。 「いや、あの……あの時はす、すいませんでした……。てっきり千里のイタズラかと思って……」 「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ……イタズラ?私ノ恋ガ……」 い、いかん!傷つけてしまったか? 「あ、ああ、あの!こ、こここ、これ!」 俺はマカロンを差し出した。
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