獣耳の衛生兵

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「くそッ!!やられた!!」 「側面から回り込め!!」 「誰か援護しろ!!」 会議から三日後。 俺たちは戦場にいた。 予想より敵の防御が堅く、作戦は遅々として進んでいなかった。 結果、焦りや不安、疲弊からミスに繋がり、味方の損害が増えていくばかりだった。 しかし、本部からの撤退命令は出ない。 だからといって独断で帰還命令を出す訳にもいかず、ただ徒に兵を消耗させていた。 怪我人の介抱をしている衛生兵たちにも、隠しきれない疲弊の色が見えている。 ――このままでは全滅は免れない。 それは誰の目にも明らかだった。 故に、決死の作戦を決行する。
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