獣耳の衛生兵

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一年ほど前、小さな紛争に隊が駆り出された時だという。 紛争の最中、近くの集落へ避難勧告、誘導をしていた時。 会敵し、終わったと悟った彼女を救ったのが俺だと彼女は語った。 それで思い出した。 少女を守るべく、自分から離れるなと言った事。 それに憧れて、この少女は軍に入ったのだという。 その時に目にした惨状をもう一度見たくはなかったのだとも、彼女は述べた。 だから衛生兵として志願したのだと。 その惨状が無くなる事はないのだと、知らないままに。 惨状を見る立場が違うだけだと気づかないままに。 「改めて、またよろしく。隊長」 彼女は、笑った。
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