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ホワイトデー
今日はホワイトデー。丁度1ヶ月前、彼氏のユウに手作りチョコを渡してやった。だから、今日はそのお返しをどこか期待しながらデートしている。
しかし、特に変わった様子も無く映画を見て、喫茶店で軽食を食べ、カラオケに行って歌いまくって......気がつけば帰らなければいけない時間になっていた。
なるほど、最後にサプライズってことか。ユウもなかなかわかってんじゃん。なんて、勝手にサプライズがあると思い込んでいた。
「それじゃあ、また明日ね」
「う、うん......?」
期待は泡となって弾け、消えていった。まさか、忘れてるのかな?
「あ、ちょっと待って。その......今日ホワイトデーじゃん?」
自分から言うのは卑怯かもしれないが、彼の忘れっぽい性格を考えると、準備はしたものの、渡すのを忘れてたというオチにならないため。そう、確認のためだ。決して強要してるわけではない。別に、準備してないなら、いいのだ。
「あ、そういえば、今日ホワイトデーだったね! 忘れてた、ごめん!」
彼は手を合わせて謝った。しかし、こうも素直だと、非の打ち所がない。
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