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周りには、同じように家へ向かう生徒が居る。
私は。友達と一緒に歩いている。いつものように話しをしていたその時、私は信号に気付かず飛び出してしまった。
「亜里砂!危ない!」
友達の声が聞こえる。
声の意味が分からずうろたえていると、車が私に迫ってきて………
*
「………。」
ふっと目が覚めた。私は、見知らぬ部屋のソファーに座っていた
「…ここは」
私は辺りを見回した。
私の身長をゆうにこす、大きな本棚。それが複数ある。
誰かの書物部屋か…?と私は思いながら本棚を眺めていると、
「目が、覚めました?」
「え」
私はその声の方へ目をやった。
私は、目を疑った。
何故なら、目線の先には、明らかにあり得ない物が浮かんでいたからだ。
人とほぼ同じ姿をしている。
いや、それだけなら別にそれに越したことは無い。
その体は、異様に小さい。20センチ位の体だった。
そして、その小さな手には、蝶のような、スティックを持ち、背中からは、透き通った、羽がはえていた。
「あ…あなた……誰よ?」
「私は妖精のフェリー。そして、ここは幻夢図書館よ」
「……ねえ、ふ、フェリー。どうしたら私は家に帰れるの?それに…幻夢図書館って…一体何?」
私はまず自分の置かれている環境を理解するようにフェリーという妖精に聞いた。
「…もう、戻れませんよ」
…え?
「…ここはさっきの通り幻夢図書館。あなたがほんの先ほどまでいた、人間界の隣りに存在する、幻夢界の中心の幻夢の泉の底に沈んでいる図書館です。
私はソファーから勢い良く飛び降りると、部屋の端っこについた窓に顔を近づけた。
窓の外の景色は確かに水の中ではあったが、人間界…いや、私が住んでいた世界の池や海とはちがい、薄い水色のような色に染まっていた。
「わっ!」
その時私の目の前に、何かが近づいてきた。人の姿をしている。しかし、これまた異様だ。
人の姿をしてはいるのだが、下半身には、魚のような尻尾がついている。そして、上半身は、女の容姿をしていた。
「……人魚……」
まさしく、人魚だった。私はフェリーの方へ歩いてゆき、こう言った。
「ねえ…これ…夢だよね?」
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