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初めての飛び込み営業
与えられた営業車での営業周りがスタートした。
車に乗り込むとき、経営者がタバコをふかしながら
「がんばってね、結果しか望まないので」
、と。
その言葉が、車をスタートさせてからグルグルまわる。
30分ほど運転して、着いた場所が初めて飛び込み先に選んだ会社だ。
比較的、業界内では優しい対応をしていると触れ込みがあるので、飛び込んで行っても大丈夫だろう、と勝手に想像させ選んだ。
そこは駐車場がないため、道の邪魔にならないところに駐車。
ハザードをたく。
先ずは深呼吸を一つ。
名刺入れはスーツの内ポケットに入れる。
会社案内と簡単な取説を一部セットにして、車を降りる。
ラッキーな事に、雨が止んでいる。
徒歩で飛び込み先に…
…
…
やっぱり怖い。
入る勇気がないのだ。
飛び込む勇気がないのだ。
しばらく心の中で押し問答が始まる。
「行かなきゃ、何も始まらないだろ?」
「イヤイヤ、営業周りなんてやったことがないから、ムリ」
「ムリだなんて、やったことがないのに考えるなよ」
「いや、ムリムリ」
雨がポツリ、ポツリと降り始めてきた。
あまりにも長時間立っているのも、怪しいよなぁ、と。
車に引き返すことに。
弱いじゃん、自分。
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