言えない

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 その夜。  作戦会議だ!と土井、船山と一緒に帰宅すると、管理人さんに呼び止められた。 「服部くん宛の荷物が来たんだけど、201号室に置くようにって指示付きだったから受け取って置いておいたよ。鍵はまだ持ってるよね?」 「はい。ありがとうございました!」  ……心当たりは無い。  とりあえず見てみよう。今は住人のいない2階の角部屋の鍵を開けた。 「服部さん?これって…」 「うん。多分… 生まれて初めて見たけど…」  洗濯機よりやや大振りの段ボールに、ハングル文字。  英語で小さく書かれている通りならコレは…… 「「「キムチ専用冷蔵庫ぉ?」」」  ご丁寧に白菜も。2玉ずつ紫のビニールテープで括られた黄芯白菜。ピンク色の巻き紙に名刺が貼りついている。  この社章、うちの会社…  って、この肩書!!代表取締役社長!?  社長の名刺だ!!  裏に手書きのメッセージ。 『 ノルマ12玉。酸味があるほうが好みだから? 食べ頃になったらメールして 』  ……はいぃ?? 「時間外労働の強要?あ、でも漬かったら食べられるから、賃金現物支給?」  土井が悩み始める。  船山が、真剣な顔でつぶやく。 「服部さん、オカモトの手術用グローブドクターハンドは経費に含まれますか?」  ……土井、多分ボランティアだと思う。船山、グローブは領収書は一応もらおう?社長室に捻じ込んでみるから。  どこで聞かれてたんだ?  社長はいつも神出鬼没。迂闊なことは言えない。  はあああぁぁぁ!!  この3人、クサい仲、決定… <本格ペチュキムチ編おしまい>
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