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気持ちは分らなくないが、せっついてみる。
「・・・・」
恐る恐る試着室のカーテンが開けられる。両手で股間と尻を隠しながら、若者たち以上に顔を真っ赤にしながら出てくる『黒田陸』元幕僚一佐殿。心中お察しいたしますが、お国の、延いては地球の為です。
「こ、こんな恥ずかしい姿・・・必要なのか?」
ああ黒田さん。ハッキリとさせておきましょう。
「このスーツの性能は完全に完璧かつ必然です。絶対に『必要』です」
黒田さんが一度反論に口を開きかけて、シュンとして口を閉ざす。恥ずかしさの方が先に立ったのか、それとも命令なのを理解したのか?まあ、彼の羞恥心など些末なことはでどうでもいい。
「では、各員私について来給え。君たちの乗り込む機体を紹介する」
背後で沸き上がるパイロットたちの悲鳴などどうでもいい。個人の羞恥心と地球の平和。天秤にかけるまでもない。
平和が一番大事。
会議室から通路へと一切の妥協を許さずに、地下格納庫まで向かう。股間と尻を隠しながら付き従うパイロットたち。
慣れてもらわねば・・・。この先のことを考えればこれくらいのこと何でもなくなる。
私とパイロット一行は格納庫に専用エレベータを使い2分で到着する。
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