第一話 招集!尊い恥辱

5/15
前へ
/15ページ
次へ
整備員たちがいるが、パイロットたちの姿に誰もツッコミなどいれない。訓練の賜物。そして、これが如何に大事なことなのかを完全に理解しているからだ。・・・若干の哀れみが表情に浮かんでいるのは、パイロットたちには気づかれてはいけない。目線で「あってはならない」と威圧すると自分に与えられた作業に集中する整備員たち。かくあるべしだ。 「さあ!これが君たちの乗る次世代人型戦闘機 『アナリオン』だ!」  そこに並ぶ威風堂々とした巨大人型戦闘機に全員が目を見張る。それぞれに特化した性能を持つ五機の巨大ロボットに全員股間と尻を隠すのを忘れて魅入る。 全長は最大45メートル。アナリオン用に開発された特殊合金『エレクトH合金』により見た目よりも軽い。防御力も高い。 全員がおお!と声をあげて魅入る。巨大ロボットは男のロマン!男の夢!分かる!分かり過ぎるくらい分かる! 「シュミュレーターモードで稼働!先ずは乗り込み訓練を行って貰おう!全員乗りこみ給え!」 私の号令一下で走り込み乗り込む・・・筈だった。 「・・・長官。一機足りません」  ん? 「我々は六人、機体は五つ。一機足りません」 黒田パイロットが疑問を口にした。答えは簡単至極。 「『アナリオン四号機』は複座式だ。緑川兄弟パイロットに運用してもらう」 全員が納得顔をしたかと思うとダッと各機体に走り出した。 さて・・・次の『疑問群』は容易に想像がつく。・・・先ずは彼らの反応を待とう。 LOVEマシーン 『アナリオン』(アイキャッチ)Aパート終了
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加