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全員が桃井長官を見下ろす形で同時に口を開いた。
「「「「「「あれなに?」」」」」」
「操縦桿だ!」
長官の即答に全員が固まり、そしてお互いの顔を見合わす。
「・・・長官、ご冗談を!操縦席のシートから突き出ているアレが操縦桿ですと?」
黒田が半分怒って半分呆れて声を荒げる。
「次世代型試験機と説明したハズだが?」
長官の返答にパイロット全員が衝撃を受ける。が、不意に緑川弟がゆっくりとコクピットに乗り込む。どこか陶然した表情を顔に張り付けたまま。そして、それを跨るように腰をゆっくり落としていく。
「・・・あ・・・ぐう!・・・ふう?・・・全部・・・入った・・・ぜ!」
突然のことに緑川兄がなにか別の生き物尾を見てしまった眼で固まったまま弟を見ていた。
「来いよ・・・兄貴。・・・ちゃんとローション塗ってあるから結構痛く無かったぜ」
残りの全員が操縦席のシートから生えているモノの意味を今や完全に理解したようだ。
「アレ!あれでいいわけ!?アレでどうやって操縦するわけ!?」
赤井一馬が叫ぶ。
「というか、なんでアレな形してるの?!」
蒼雄二が疑問を口にする。
「・・・黒くて・・・太い・・・すごい・・・」
黄山泰三が魅入ってウットリとして呟く。
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