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第1章
「あぁ、めんどくせぇなぁ」
まだ寝たいと思っている。体も、まだ寝たい、起きるべきじゃないと言っている。けれども、アラームは鳴りやまないし、今日は確か月曜日だったはずなので、起きなければならなかった。
別に、学校が嫌というわけではない。けれども、特別楽しいわけではない。だから、出来るなら家に籠って、いつまでも寝ていたいが、どうやらそういうわけにはいかないようだった。
「あぁ、うるせぇなぁ」
僕は乱暴に、携帯のアラームを切った。そして、何か金属にでもなってしまったかのような自分の身体を、なんとか起こして居間に向かった。
もう1学期も終盤に差し掛かり、あとは終業式を待つだけになっている。もう2週間程すれば、終業式だ。終業式が終わっても、部活はあり、学校へは来なければならないことは分かっていたが、それでも僕は、終業式を待ち望んでいた。
「行ってきます」
朝食を済ませ、弁当を持って、学校へと出かける。僕がこう言うと、居間から母さんが返事をした。
「行ってらっしゃい」
きっと洗い物をしているのだろう。水の音がやたらと聞こえた。けれども、その音に負けないくらい大きな声で、母さんは返事をした。
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