第1章

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 毎度思うが、母さんには本当に感謝をしている。自分も仕事があるのに、毎朝早く起きて、自分の分だけではなく、僕の分の弁当まで作ってくれる。それだけではなく、朝食も毎朝欠かさず作ってくれる。僕はその点、母さんに感謝をしている。    僕の通っている学校は、家から歩いて15分くらいのところにある。これでも比較的近い方で、自転車やバスを使って通学している人もいるくらいだ。  校門をくぐり、階段を使って最上階へと上がる。3年生になると、教室が最上階になってしまうのが、この学校の悪い所だと、僕はこの長い階段を登る度に思うのだった。  教室へ入る。いつものように、朝の教室はいくつかのグループに分かれていた。昨日あったテレビの話を、嬉しそうに語る、明るい女子学生グループ。何やら難しそうな話をしている、成績が優秀なグループ。体育会系の男子で集まっているグループ等、色々なグループがあった。  僕はというと、それらのどのグループにも属していないような自負があった。それぞれのグループに入るのには、資格がいるのだった。例えば、体育会系のグループに入るには、体育部に所属しているか、体格が良いか、そういった条件が無ければならない。また、優秀なグループに所属する為には、成績が良くなければならない。     
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