一日目 出会い

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 少女はスカートをはためかせながら、風の音かと聞き逃しそうになるくらい静かな声を発した。なんでもないような内容なら聞き逃していただろう。だが、今の俺には聞き逃すどころか、はっきりと一字一句間違わずに耳に入ってきた。空耳か聞き間違いであって欲しい言葉が。 「え?」  かすかな希望を抱きながら一応聞きなおしてみる。しかし、答えは 「……」  無言であった。  二人の五メートルほど離れた間を風が通り過ぎていく。少女のゴスロリ衣装が盛大に風に煽られて、スカートの中が見えそうで見ないチラリズムを醸し出す。だが、俺はそれどころではなかった。  な、なに言っちゃてるのかな、このゴスロリ娘は。見たとこ中学生くらい?小学生に見えなくもないが、大人(高校生)をからかっちゃいけないよ。  美少女から視線を外すことができずに、笑わせようとしないにらめっこでもしているようにお互いに見つめあう。少女のふくらみが少し足りないが、逆にそれがいい!胸元にぶら下げられたアミュレットが太陽光を反射して煌く。  プレッシャーに押し潰されてしまう前にどうにか口を開いて、事態の打開を計る。 「なぁ、どうして俺が……」 「貴方が願ったから」 「なんで君がそれを知っているか知りたいんだが……」 「貴方にはそういう力がある」  ダメだ、こいつ。何言っても聞いちゃいねぇ。どっかから怪電波を受信していやがりますよ。     
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