一日目 出会い

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 願ったから叶った?そりゃ、なんのアニメの話ですか。それともマンガか?ラノベか?そんなことがほいほい起こったら、溜まったものじゃない。願って叶うなら、今頃この神社には千客万来さ。 「てか、君の名前は?」 「名を尋ねるなら、先に自分から名乗るのが礼儀」  電波的なことばかり言う割に意外と常識的なことも言ってくる。 「俺は仁。高峰 仁だ」 「仁。私はミナ」  いきなり呼び捨てですか。しかも、自分は名前しか名乗らないのかよ。 「で、俺のさっきの質問なんだが」 「……」  また無言ですか。ミナは完全に俺を舐めきっているというか、他人に興味がないような態度を取っている。 わけが分からん。言っていることも電波だし。今流行りの中二病ってやつか。 「貴方はすでに逃げられない」  ミナは最後まで怪しげな電波を受信しているとしか思えないような発言を残して、話は以上だと踵を返すと早々に本殿から立ち去ってしまう。 「って、おい!どこ行くんだよ。まだ俺の話は終わっちゃ……いねぇ……んだけどなぁ~」  こっちは何も分からないままだというのに、ミナはどこかへと消えてしまった。引き止めようと突き出した手が中途半端に行き所と目的を失い、戸惑う。 「なんだったんだ、今の娘は」  月雲(携帯ストラップ)に話しかけるも、やはり何も答えずに微笑みかけてくれるだけだ。  こうして俺はゴスロリ電波美少女、ミナと出会った。出会っちまった。     
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