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一日目 出会い
苦痛でしかない授業からようやく解放されて、忌々しい学校に別れを告げて通学路を歩いていた。今日半日の不幸な出来事を呪いながら、画面の向こうから出てこない恥ずかしがり屋な美少女たちに癒されていたはずだった。いつもと変わらない退屈な日常のワンシーンのはずだった。
気が付けば、目の前は惨劇だった。ガードレールは大型トラックにでも激突されたかのようにひしゃげ、台風でも通り過ぎたように街路樹はなぎ倒されている。人々は何が起こったのか理解できずにただただ立ち尽くす。もちろん、俺だってそうだ。
「なっ……」
目の前を歩いていたはずのバカップルが今は消し炭のごとく真っ黒焦げになって倒れている。さっきまで二人で見ていた携帯電話は跡形もなく砕け散り、それらしきプラスチックの破片が辺り一面に散らばっている。
「きゃああああ~~~~!!」
「な、何が起こったんだ!?」
「救急車!いや、警察が先か?」
止まっていた時計の針が動き出したかのように、女性の悲鳴を皮切りに呆けていた人々が突然あわただしく動き出す。俺もようやく正気を取り戻す。
「テロか!?テロなのか!?」
パニックを起こす者。
「君たち、大丈夫かね?」
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