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「おい、あんまり無理に動かさないほうがいい」
二人に近付き、容態を確認する者。
「もしもし、えっと……その……」
どこかへと電話している者。
「おいおい……」
爆発を間近で目撃した俺。
騒然とし始めた辺りをただ呆然と眺めるしかできない。その間も周りの喧騒は増していくばかりで、野次馬たちも集まって騒々しくとなる一方だ。遠くからはサイレンの音が微かに流れてくる。
爆発した、だと!?いやいや、どんなライトノベルだよ。どんな魔法を使ったら、こんなファンタジー的出来事が起こるって言うんだ。
超小型の地雷でも仕掛けられていたとか?どこの紛争地域だよ!平和大国日本だぞ、ここは!不発弾は埋まっていても、地雷は埋まっていないはずだろ。
俺の眠っていた超能力が覚醒したのか?それで、ツンデレな美少女が目の前に現れて非現実超常バトルに巻き込まれていくってか。爆発系の能力ってことは主人公だな、俺。
「君、大丈夫かね?」
「なわけあってたまるか!」
呆然と立ち尽くしていた俺を心配した男性が声をかけてきたのに返事するようなタイミングで一人ツッコミをいれてしまい、それを真に受けたのか、男性は焦って聞き直してくる。
「大丈夫じゃないのかい?」
「いえ、大丈夫です」
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