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期待に胸を膨らませていると、本殿前に人影を発見!
「おっ、待望の巫女さんか」
完全に疲れを忘れた足はいつの間にか早足になっていた。そして、本殿前の人影がだんだんはっきりしてくる。
「巫女さん、巫女さん」
ついに人影が影じゃなくなり、その姿の全貌が俺の前に現れる。そこに立っていたのは……
「巫女さん?」
ではなかった。
そこには赤も白もなく、あるのはただ黒一色である。いや、部分的に白が申し訳なさそうに自己主張している。
そこにいたのは、巫女さんではなくゴスロリ少女であった。
神社にゴスロリ?なんだ、その西洋と和風が正面からいがみ合っているようなシチュエーションは。どこまでも違和感の塊だ。大玉で玉入れをするくらいバランスが悪い。
そのゴスロリ少女(今までリアルでは見たことがないレベルでかわいい)はじっと俺のほうを見つめている。睨んでいると表現しても過言じゃないくらいにメガネ越しに視線が刺さる。ショートボブにカットされた綺麗な黒髪が風に靡いている。
「あ、あの~」
視線にいたたまれなくなった俺はおそるおそるゴスロリ美少女(美幼女?)に声をかけてみる。
「貴方が『リア充、爆発しろ!』と言ったから爆発した」
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