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そんなダルクがひたすらセカンディラードを信奉しているからこの現状がある事を、魔物達の主は知っている。ダルクは、セカンディラードがまだセカンドという名前だった頃に出会い……主従を定めた最初の魔物だ。
混血であるためにどこにも属すことが出来ない、そんなダルクを尊大にもセカンドは自分のものとしてそばに置く事を許し、ダルクもまたその決定に従った。
頭の良い男なのだ。自分がそのように、誰かから必要とされない限り存在する理由がないと知っている。……同時に、救いようのないバカだとセカンディラードは今もそう思っている。
主は私か?
今子鬼達を追い返し、食い殺し、焼き殺す多くの使役された、セカンディラードの所有物である魔物達の主は、私か?
私の命令には背かない、そのようにしてあるとして。
本当に、この魔物達の主は……私なのだろうかと、ダルクを見ていると忌々しく考えてしまう。
彼がいなければパーティ一つ、上手く切り抜けられないようなこんなダメな男に……あの賢い魔物が傅く意味は何であろう。忠義、魔物にそんなものがあるとは、人々は信じていないというのに。
膝の上で眠る、灰色の子供が小さく寝がえりをうつ。小さな耳を食む黄緑色の金属でできたカフスと、細い首に巻きついている首輪の冷たさを指でなぞる。
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