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恐るべき魔物はすべて、更に恐ろしい魔物使いセカンディラードの使役する『物』。
恐ろしい者が持つ恐ろしい所有物。
そこでは魔物は生き物ではなく、恐るべき事象で、忌避すべきものだ。
隣の大陸から来る、理解の出来ない、恐るべき怪物。
人間よりはるかに強く、時に悪意があって殺戮を繰り返すもの。
そんな『魔物』を使役する、魔物という力を使うのが『魔物使い』。
セカンディラードは西方に名だたる大魔物使いとして、多くの魔物を所持し操る。その業績を認められ、サラという字を与えられ、北西の砦ミストラーンを守護する領主に据えられた。
北と西の境を守る、セカンディラードの存在は多くの人から慕われていたが……同時に恐れられてもいる。何より恐れている魔物でもって魔物を抑える…。魔物を『所持』する者もまた、人から見れば何とも恐るべき存在に見えたのだろう。
セカンディラードが少々変わり者であった事が、その環境に拍車をかけた。
その、ミストラーンの恐るべき領主、魔物使いセカンディラードが愛玩動物を飼っているという。
真っ白い肌、灰色の瞳に灰色の頭髪、美しさが逆に恐ろしい程の、魔物と見まがう小さな子供を、愛玩目的で『飼う』という。
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