五月

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「Thank You」 外国人は、笑顔を礼恩を手を振りながら離れて行った。 「絵画展に行きたかったんだよ」 礼恩は、香音にそう告げる。 「あ、ありがとう!礼恩くんって英語出来るんだ?」 「うん。外国語は何個か話せるから。って僕のこと知ってるの?」 「知ってるも何も同じ学校だから……」 うつむく香音。 「いや。学年違うからさ。香音ちゃんのことは知っているけどさ」 「え?礼恩くんも私を知っているの?」 「僕は、学校のみんな覚えているよ」 もしかしたら、礼恩の特別なのかも知れないと淡い期待を抱いたが、その気持ちは砂が流れるように消えた。 「やっぱり礼恩くんってすごいんですね」
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