32人が本棚に入れています
本棚に追加
香音の顔は再び熱を持つ。
この人は本当に『王子様』なのだろうかと嬉しくもあり恥ずかしくもある。
「……早く画集見せて……」
「分かった」
礼恩は、香音を自分の部屋に連れていく。
香音の部屋と大して変わらない広さの部屋。
ベッドに机に本棚にタンス。
小綺麗に片付いた部屋の真ん中に山と積まれた画集。
「わぁぁ!見ていい?」
「そのために来たんでしょ?」
有名な画家の画集もあれば、イラストレーターの画集、絵本もある。
「画集って高いから、なかなか買えないの!礼恩くん、ありがとう!」
次から次へとページをめくる。
ゴッホもピカソもゴーギャンも、香音が憧れていた画家たちの絵がそこにある。
最初のコメントを投稿しよう!