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礼恩の父も母も礼恩がしっかりしすぎていることを心配するが、礼恩の目には、父の跡を継ぐという目標が揺るがないためになかなか伝わらない。
「まぁ、勉強ばかりじゃなく恋の一つもするんだよ?」
礼恩は、つい吹き出す。
「父さんがそんなことを言う?」
「明日から勉強に教わりに来る女の子は可愛くないかい?」
「可愛いよ!香音は可愛いよ!妹みたい……」
そう言ってうつむく礼恩を見て父と母は視線をかわす。
「なら大事にするんだな」
礼恩は、あまり素直な表現をしてこなかったので、その姿に安心したのだった。
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