六月

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特別でありたいから。そんな気持ちが先走り、口をつぐむ。 だが、二人のそんな態度を面白くなく思う人もいる。 天音は、それを香音にそれとなく伝えるが、香音は曖昧な返事をするだけだった。 「もう!礼恩くんは『王子様』なんだよ!?その『王子様』が香音とだけ仲良くしてたら、面白くない人もいるんだから!」 既に香音が陰口を叩かれているのを知っている天音は強くそう言う。 「そんなに秘密にしてたら、付き合っていないって言っても誰も信じてくれないよ?」 「……でも」 「はぁ。香音が『王子様』と秘密を共有したい気持ちは分かるよ?だけどね、何にもないなら何にもない証明しなければ、嫌がらせされるよ?」
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