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付き添いで来ていた母は苦笑する。
「昨日も見てたじゃないの」
「絵は何回見たって、いいものはいいんだよ。お母さんが同じ小説を何回も読むのと同じだよ」
「なるほどねぇ」
香音は、絵に穴が空くほどに見つめる。
その真剣な眼差しに可愛さを感じるのは、やはり親だからだ。
「香音は、本当に絵が好きね」
「もちろん!絵って色んな表現あるんだもの!一番好き!」
香音の母は、さては明日も付き添いかなと思いながら、香音についていく。
何周も回って結局、絵画展を後にしたのは入場してから四時間後だった。
「パフェでも食べていこうか?」
香音に付き添って、くたくたの母はそんな提案をした。
「本当!?やった!」
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