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「お兄ちゃん! カードゲームしよーぜ! 」
俺が持って来た物は、 最近流行っているトレーディングカードゲームだ。
アニメの物で、 よりパワーの高い物が相手の『壁』を撃破していき、 止めを刺せれば勝ちとなる。
「……カードゲーム? やり方分からないけど」
「俺も大して分からない」
「……」
一瞬で空気が凍った……ボケてスベった訳じゃないのに……めちゃめちゃ恥ずかしい。
「と、 とにかく俺はお兄ちゃんとやりたいんだよ! 」
俺が言うと、 何故かお兄ちゃんは立ち上がり上着を着た……寒いのかな?
そしてドアの方へ向かう。
「下で買ってくる。 やり方のとかも」
「お、 あ、 うん」
完璧にやらないと気が済まないんだろうかあの兄は……でも俺も分かんなかったら何すんだって話だもんな。
……今の内に邪魔な髪切っておこう。
────ジヨキッ
「あ」
数分後、 お兄ちゃんは100枚くらい持って帰って来た──そんな要らないと思うけど。
お兄ちゃんは俺の顔を見つめる。
「……な、 何かな?? 」
俺がそう言うとお兄ちゃんは笑顔になった……。
「じゃあ負けたら罰ゲーム有りにしよっか」
「ば、 罰ゲームっスか」
お兄ちゃんは俺の後頭部の髪を触りながら自分が勝った場合の俺がやる罰ゲームを言った。
「女装してお買い物(ハァト」
「え……」
絶対にヤダ絶対にヤダ。
勝たなきゃ、 マジで本気で勝たなきゃ……俺の方が少し経験有るし……!
────。
「王手だね」
「いや将棋とかじゃないけどちょっと待っ……」
「はい、 僕の勝ち」
お兄ちゃんは1回自分の部屋へ行った。
こっそり覗いてみるとタンスの中を漁っていて、 女の子用の服を見ている──何で持ってんだ。
てかヤバい早く逃げなきゃ着せられる……!!
俺は上着を着て家から出た。
「げっ! 店の鍵閉まってるし! 」
このままじゃ外に逃げられず捕まるだけ……そうだ! 鍵ならレジの方にあるんだ! 暗いけど見つからないように取れば!!
────こちら近衛優李。
今からレジの方へ向かいます…………!あれは!
ドアが開き、 上からお兄ちゃんが降りて来る。
「優李ー」
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