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「さて、 被害は最小限にしたい。 出来ればここは去って欲しいな」
「はい、 すみませんでした~……なんて言うかクソが! うおぁ! 」
能無し3に軽く足掛けをする兄。
「被害は最小限…でしょ?はっ!! 」
兄は微笑んだ直後、 左ストレートを能無し3の顔ギリギリに放ち風圧のみで退治した。
「大丈夫だった? 優李」
「見りゃ分かるかと……」
俺はぼーっとしたまま兄を見つめていた。
めっちゃカッコ良かった……強いし……。
お兄ちゃんは屈んで顔を覗き込んで来た。
「どうしたの? ぼーっとして、大丈夫? 」
「だ、 だだ大丈夫だから! うん、ありがとう! 」
俺はそう言うと、 赤くなった顔を押さえながら教室へ向かった。
その途中で女子生徒に捕まった。
「あの背高い人お兄さん? 超カッコ良いね! 」
「何センチ? 」
うっ、 またお兄ちゃんを狙うやつらか。
俺は頭を掻きながら面倒くさそうに答えた。
「兄。 で、 185」
俺とお兄ちゃんは未だに40㎝の身長差だ。
正直……き、 キスとかもしてみたいとは思うけど、 デケーよ。 そして俺小せぇよ。
「お兄さんって今恋人とか居るのかな!? 」
「! 」
「居ないんだったら私アタックしてみようかな~、なんて」
恋人ね……そうか、 忘れてたよ。
俺が『居るよ』と答えると、 女子生徒達は驚き焦り始めた。
ずっと昔から繋がってる恋人が……兄には居る。
「ここに居るよ、 恋人なら」
女子生徒達は目を見開いていた。
そりゃそうだ、 男同士が恋人なんて知ったら大抵はこうなる。
でも、 俺の覚悟はもう出来た。
──俺は廊下の窓を開け、 まだ下に居る兄に叫んだ。
「お兄ちゃん! 大好き!! 」
お兄ちゃんは凄く優しそうで嬉しそうな笑顔で返して来た。
「僕も大好き!! 」
俺とお兄ちゃんはその後凄く噂になったが、 美少年と美青年って事で一部の人間から応援され、 その後を過ごした。
これから何年もの間俺達の前には幾度となく苦難が待ち受けてるだろう……。
だけど俺は、 そんな物を無いものとしてお兄ちゃんと歩んで行こうと思っています。
これから何年経っても、 俺達兄弟はラブラブです
ーENDー
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