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それから毎日毎日悲鳴を聞きながら眠った。
そんなある日
「いやだ!誰か!助けて!」
「ふふ。いいぞもっと叫べ」
いつもの行事を眺めていると優しそうなメガネの召使いが小さな声でそっと話しかけてきた。
「…君…」
「ん?」
「逃がしてあけるよ」
「…え?」
「今日の深夜2時、図書室まで来て。裏口から逃がしてあげる」
「…」
「待ってるよ」
ーー何言ってるんだろこの人。どうせ逃すとか言って図書室に行った僕を犯したいだけだろ。でも犯されたって国王に泣きついたらこいつも殺せるなぁ行こうかなぁ
「終わったぞ。牢屋へ連れて行け」
「は!」
バタン
「今日は寝てなかったのか」
「おやすみにゃさぁい」
「ふふ。可愛い奴め」
「…ご主人様?」
「ん?なんだ」
少し迷ったが先ほどの事を打ち明ける。
「…さっきの召使いに逃がしてあげるって言われた」
「…なんだと?」
眉をひそめ奴隷の話を真剣に聞く。
「さっき言われた。深夜に図書室で待ってるって言われた。にゃ」
「…何故私に話した?」
「だって。僕逃げたって帰る場所なんてないから。ここならまだ貴方の奴隷という居場所があるから。ここにいる」
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