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起床
その轟音は私の居た世界に侵入し、無理矢理引きずり出そうとした。
見えているものは夢だというのに、耳はしっかり機能している。
目覚まし時計に叩き起こされる乾燥した冬の朝
頭は必死に起きようとしているが(厳密には起きているが)体は全く動じない。
いや、正直に言うと動きたくない。
寒さと重さがその気を更に増して、手足が捕まれているとすら思えてくる。
神経を甦らせ、まず指を動かし腕全体の記憶を甦らせる。
そうしていると再び鳴き始める目覚まし。
私は「朝からよくそんな動けるよ、働き者だね」と
すると目覚ましが
「設定したのはあんたでしょう?また遅刻してしまうよ」…と
私は目覚ましにまで心配をかけてしまっているようだ。
「目が覚めたから仕方ない、起き…れない…」
小さい頃から朝は苦手なんだ。
AM 05:00
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