24人が本棚に入れています
本棚に追加
/98ページ
そして、
「だからもうオレらも開き直ってさ、これからもツボミお嬢にぴったりくっついてよーぜ。お嬢に裏があったってかまわねー。同じ人間さ。だけどな、ツボミの仲間になった方が、きっとオレたちの勝ちだ!」
気勢をあげる山田に、
「仲間、か。ツボミの仲間……」
「うん。状況を知った以上、彼女を放っておくなんて出来ないしね……」
田中も小林も引きずられるように承知する。
玉村は運転席で3人の会話を聞いて、
「その心がけは、まあ生き残る手段としては正解だ」
楽しそうに笑う。
「殴られても蹴られても、ぜひ頑張ってツボミに食らいついていってくれ」
「えー! オレら、殴られることは前提なのかよ」
「ああ。シンさんにくっついていた頃のおれたちと一緒だ。殴られるのは間違いない」
妙な保証をいただいてしまった。
「親子して凶暴すぎるんだよな……」
だけどそれでも、玉村もぽん太も生きている。
その事実が、3人組の未来に、ちょっとした希望を持たせるのだ。
――了――
最初のコメントを投稿しよう!