沈丁花

4/15
24人が本棚に入れています
本棚に追加
/98ページ
鴻上ツボミ、伊里優子、白谷沙羅とも、この明新高校の一年生で同じクラスである。 優子と沙羅は中学が同じで、ツボミは高校に入学してから一緒だ。 鴻上(こうがみ)白谷(しらたに)と出席番号が並び、座る席が隣だったツボミと、不思議ちゃんの優子が加わり、3人でお昼を食べる仲になっている。 けっこう仲良しだ。 だから気づいたのか、今朝からツボミが、 「ねえ沙羅、何かあった?」 「良かったら話してよ」 休み時間のたびにしつこく追求されて、ついに、 「バイト先の客がストーカーになりそうなんだ」 と白状させられた。 ツボミは椅子を蹴倒して、 「なんですってー!」 と大声をあげるが、こんな騒ぎになるから話すのはイヤだったのだ。
/98ページ

最初のコメントを投稿しよう!